MENU
品種アイコン索引
オブツーサ(H. cooperi var. truncata)の写真
オブツーサ
クーペリー(H. cooperi)の写真
クーペリー
ピリフェラ(H. cooperi var. pilifera)の写真
ピリフェラ
シンビフォルミス(H. cymbiformis)の写真
シンビフォルミス
レツーサ(H. retusa)の写真
レツーサ
ベヌスタ(H. cooperi var. venusta)の写真
ベヌスタ
ピグマエア(H. pygmaea)の写真
ピグマエア
ミラビリス(H. mirabilis)の写真
ミラビリス
エメリアエ(H. emelyae)の写真
エメリアエ
万象(H. truncata var. maughanii)の写真
万象
玉扇(H. truncata)の写真
玉扇
十二の巻(Haworthiopsis fasciata)の写真
十二の巻
アテヌアータ(Hp. attenuata)の写真
アテヌアータ
レインワルディ(Hp. reinwardtii)の写真
レインワルディ
リミフォリア(Hp. limifolia)の写真
リミフォリア
ビスコーサ(Hp. viscosa)の写真
ビスコーサ
竜鱗(Hp. venosa var. tessellata)の写真
竜鱗
ムチカ(H. mutica)の写真
ムチカ
軟葉系14 章約49分で読めます

ピリフェラの育て方と見分け方|葉先の毛と窓の脈を観察

小さなロゼットが密に集まった軟葉系ハオルチアを斜め上から写した写真。とがった葉の先から白く長い毛が何本も伸び、日を浴びた外側の葉は淡い緑からサーモン色へ移る。右手には細い花茎が伸びて白い花が咲いている
葉先から伸びる白い毛(ノギ)と、右に伸びた花茎 Photo: Agnieszka Kwiecień (Nova) / CC BY 2.5, via Wikimedia Commons
SPECIMEN — HAWORTHIA COOPERI VAR. PILIFERA
ピリフェラHaworthia cooperi var. pilifera / ハオルチア・クーペリー・ピリフェラ
魅力葉先の白い毛と、窓に透ける脈育て方を見る →

青緑の窓を細い脈が走り、葉先には白い毛が伸びる。ピリフェラは、丸みの中に残る尖りを見つけるのが楽しいクーペリーの仲間です。

写真では大きな葉の足元に小さなロゼットも並び、近づくほど観察点が増えます。オブツーサと見比べながら育て方をつかみ、古い学名と図版の来歴へ進みましょう。

ピリフェラの見どころ — 葉先の毛と、窓に透ける脈

観察
先端の毛と、窓の中の脈を分けて見る
全体の位置 → 同じ写真の拡大
窓の線を葉先まで追うと、面の模様と先端の毛が別のものと分かります。
  1. 先端葉先から出る細い白い毛を見る。
  2. 葉の縁輪郭の毛と、その内側の窓を区別する。
  3. 窓の面面の中に透ける線を追う。
先端へ集まる脈と、その先に続く細い毛。
1 葉先と毛先端へ集まる脈と、その先に続く細い毛。
輪郭にある毛と、窓面の線を見比べる。
2 縁と面輪郭にある毛と、窓面の線を見比べる。
窓の線を葉先まで追うと、面の模様と先端の毛が別のものと分かります。
KENPEIの栽培株写真。毛の長さを測定した図ではありません。 部分拡大は上の同じ写真から。番号は場所を示します。
Photo: KENPEI / CC BY 3.0, via Wikimedia Commons(部分拡大)

毛の多さだけで名前を決めず、どこから毛が出ているかを見る。写真では葉先の白い毛と、窓の中へ伸びる脈を別々に追えます。

Bayerの変種記載で挙げられる末端の尖りや、角張った葉縁・竜骨も比較する場所です。

見どころと育て方
  • 葉先の毛と窓の脈を、別々に観察する
  • 親種の寸法をピリフェラ固有の値にしない
  • 分類の統合と、採用する名前の選択を分けて読む

育て方 — 毛の見た目より、窓と鉢の変化を追う

ピリフェラを育てる
かんたん派
すること属の基本に沿って半日陰と排水を整える
楽しみ方窓と葉先の毛を楽しむ出発点になります。
こだわり派
すること葉先の毛と新葉を記録し、置き場所を変える際は日差しを急に強めない。光の調整へ。
楽しみ方写真の明るさと、葉そのものの変化を見分けやすくなります。

光を整える

SANBIのハオルチア属の管理解説は、半日陰を勧めています。鉢では水はけも確保します。

強い日差しへ急に移すより、葉の間隔と新しい葉を見ながら置き場所を調整しましょう。季節の育て方も合わせて読めます。

水は鉢と生育を見て

底穴のある鉢で余分な水を排出し、湿った状態を長く続けないようにします。葉がしぼんだときも、先に土の湿りと根の状態を確認。

用土・鉢・ライトの選び方へつなげて考えます。

冬は窓辺の冷えを避ける

この分類群に固有の耐寒限界は示されていません。凍結を避け、夜の窓際の冷えと鉢の乾き方を確認します。

温度の読み方は耐寒性と冬越しへ。

見分けの入口 — 候補までを出して、手順は別の頁へ

観察
葉先・縁・面。毛のある場所を比べる
掲載写真の同じ部位を比較
ピリフェラの掲載株。細い毛は先端と縁へ。面の中には枝分かれする脈が見える。
ピリフェラの掲載株細い毛は先端と縁へ。面の中には枝分かれする脈が見える。詳しく見る →
オブツーサの掲載株。丸い窓の先端。長い毛は目立たず、内部の脈が見える。
オブツーサの掲載株丸い窓の先端。長い毛は目立たず、内部の脈が見える。詳しく見る →
ベヌスタの掲載株。縁の輪郭から面の中へ、短い白毛が広がる。
ベヌスタの掲載株縁の輪郭から面の中へ、短い白毛が広がる。詳しく見る →
毛の多さだけでなく、先端・輪郭・面のどこに見えるかを比べます。
掲載株の観察例。面に毛があるだけではベヌスタとは決まりません。 写真は共通縮尺ではありません。
ピリフェラの掲載株:Photo: KENPEI / CC BY 3.0, via Wikimedia Commons
オブツーサの掲載株:Photo: Tariskal / CC0, via Wikimedia Commons
ベヌスタの掲載株:Photo: Abu Shawka / CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
「ピリフェラ」と表示されうるもの — 断定でなく「次に見る所」の表
pilifera 名義 VAR. PILIFERA
名前の出どころ
Baker・1870 の記載 → Bayer・1999 の組合せ
照合先の扱い
受理名(GBIF / WFO / SANBI)
次に見る所
鈍く終わる葉先に尖りが残るか。葉縁と竜骨が角張るか。ただし程度の問題で線は引けない
obtusa 名義 H. OBTUSA VAR. PILIFERA
名前の出どころ
Uitewaal・1948 の組合せ(1974 年に否定)
照合先の扱い
同じもののシノニムとして畳まれている
次に見る所
見た目では分けない。古い体系の表記であって別の植物ではない
隣の変種 TRUNCATA / DIELSIANA
名前の出どころ
それぞれ独立した受理変種
照合先の扱い
Bayer が「区別は主に地理的な根拠による」と明記
次に見る所
葉先が完全に切り詰まるか。姿の手順は見分け方の頁へ
交配・斑入り銘 HYBRID / VARIEGATE
名前の出どころ
栽培の現場で付けられた呼び名
照合先の扱い
学名の照合先には載らない
次に見る所
葉形と由来を合わせる。親株・増殖の記録を確認

葉先の尖り、縁と竜骨の角張り、窓の脈を比べる表です。写真に見える形と、Bayerの変種記載にある特徴を合わせて読みます。

SANBIの親種の評価は、近縁との分類上の問題を理由にDDTとしています。変種のNEは現在の評価方針による扱いで、写真での比較まで無意味にするものではありません。

葉先に残る尖りと、角張る葉縁・竜骨を比べます。Bayerの露出条件での壊死の記述は分類記載の一部で、同定のために強い日へ当てたり、茶変を正常と決めたりする指示ではありません。

1974年の論文は、当時扱ったピリフェラとシンビフォルミスの生育地の違いも比較しています。草地と岩壁の記述は、その論文の対象と当時の分類範囲で読みます。

G.G. Smithの書簡として紹介される岩壁で未発見という記述は、その人の観察範囲の話です。現在の全株や全分布を決める条件に広げず、由来の記録があれば合わせて確認します。

写真では葉先や窓の輪郭を比べられます。名札と採集・親株・増殖記録があれば、形態と由来を組み合わせて判断を進めます。

窓や葉形から近い仲間を比べるなら、見分け方ガイドへ。シンビフォルミスやオブツーサの写真も合わせて観察します。

関連資料:見分け方ガイドの入口

上面・横顔・毛の位置を順に見る手順は、その入口に図解でまとめてあります。シンビフォルミスとの違いを先に押さえたい方は、そちらの頁もあわせてどうぞ。

入手時の注意 — ラベルの学名が 4 通りある

売り場・ラベルで見かける表記それが指すもの読み方
Haworthia cooperi var. pilifera本変種Bayer・1999 の組合せ。照合先が受理している表記
Haworthia pilifera同じものBaker・1870 の名前。129 年ぶん古い、独立種だった時代の表記
Haworthia obtusa var. pilifera同じものUitewaal・1948。1974 年に否定された体系の表記。偽物という意味ではない
Haworthia cooperi f. pilifera同じものPilbeam・1983。階級だけが「品種(forma)」になっている
Haworthia stayneri / H. salina同じものvon Poellnitz・1937 / 林・2010。別種として立てられ、のちに統合された
Haworthia luri同じもの(照合先の扱い)林・2018。SANBI は「不正な発表」と注記。当否は判定しない
斑入りの銘(錦・変異個体名など)栽培の現場の名前名札を控え、親株・増殖の記録と照合する
受理・シノニムの関係は GBIF Backbone と World Flora Online(2026-06 版)を 2026-08-14 に照会した実測値、各名前の書誌は国際植物名索引(IPNI)、「不正な発表」の注記は SANBI レッドリストの変種頁による。サイト内の名前の突き合わせは名前の対照表へ。

Haworthia piliferaは独立種として発表され、後に別の階級で扱われた名前です。ある期間だけ一律に正しかったとせず、名札が参照した体系や親株の記録を確認します。

実務的に効いてくるのは、育て方や来歴を調べるときです。ラベルの名前で検索すると、古い名義では公的なデータベースにたどりつきにくくなります。

照合先が受理している名前は Haworthia cooperi var. pilifera なので、情報をたどるときはその表記を起点にするのが早道です。名前の対照表に、旧名と現行名を並べてあります。

「オブツーサ」という札との関係についても、ひとこと添えておきます。売り場では、葉先が丸くふくらんだ株が「オブツーサ」、葉先に毛が残る株が「ピリフェラ」として並ぶことがあります。

この対比自体は、両者が別々の受理変種であることと矛盾しません。ただし「オブツーサとどう違うのか」節で見たとおり、Bayer 自身が隣接する変種との区別を「主に地理的な根拠による」と書いており、産地の分からない栽培株ではその根拠が使えません。

銘ごとの比較はオブツーサの種類と違いが扱っています。

園芸銘の登録資料

斑入りや園芸銘についても、扱いを分けています。園芸銘の正式名を決めるのは日本ハオルシア協会で、同会は 2014 年に ISHS(国際園芸学会)から Haworthia の国際栽培品種登録機関(ICRA)に指定されています。

登録の担当は林雅彦氏で、Haworthia(Haworthiopsis と Tulista を含む)・Astroloba・Chortolirion とそれらの交配種を、ひとつの品種名グループとして扱うという枠組みです(ISHS の ICRA 一覧・2026-08-14 実測)。園芸銘は、協会の登録名が正になります。

基本情報 — 学名・自生地・耐寒性

ピリフェラの基本データQuick Spec
葉先鈍い末端に残る尖り
窓脈の透ける青緑の面
比較点葉縁と竜骨の角張り
光種として、温室のガラス越しに十分な光(RHS・英国の条件) → 置き場の表
雨の季節資料なし(2026-10-17 時点) → 雨の季節の表
冬凍結と夜間の冷えを避ける
学名データ・出典の範囲
受理名Haworthia cooperi var. pilifera (Baker) M.B.Bayer
階級変種(種ではない)。親種 = Haworthia cooperi Baker
組合せの発表Bayer・1999 年『Haworthia Revisited』54 頁
基になった名前Haworthia pilifera Baker(独立種として発表・図版 234)
その発表年1870 年(GBIF・WFO)。Bayer 1999 は 1871 と記す資料で 2 通り
科ツルボラン科(Asphodelaceae)
系統軟葉系(Haworthia 狭義 / クーペリーの変種)
シノニム14 件(GBIF・WFO)/ 12 件(SANBI)。うち 4 件が obtusa 名義
タイプ標本原標本は現存せず。レクトタイプは図版 234 という「図(icon)」(Bayer 1999 が指定)
自生地南アフリカ固有。東ケープ州のみ(SANBI・親種の頁)
分布の中心King Williamstown と Grahamstown を中心とする(Bayer 1999)
生育環境草地のまばらな植被の岩がちな場所・浅い土壌(Bayer & Pilbeam 1974)
草姿無茎。地表面に非常に強く引き込まれる(Bayer 1999)
ロゼット径120 mm まで — ただしこれは種の記載値。変種固有の数値は無い未確認
葉20〜40 枚(種の記載値)。葉縁の刺は 2 mm 未満(あれば)
変種の識別鈍く終わる末端部に、はっきりした尖りが残る。葉縁と竜骨が鋭く角張る(Bayer 1999)
花花序は 20 cm まで・花は 20〜30 個で花被は白(種の記載値)。花期の月は確認できず未確認
冬の確認夜間最低温度を測り、凍結を避ける。冬の置き場所と個別資料を確認
保全評価(現行)Not Evaluated(未評価)— 理由は「種内分類群は評価しない」(SANBI・2024.1)
保全評価(過去)Least Concern(低懸念)— Raimondo ほか(2009)
親種の評価Data Deficient — Taxonomically Problematic(SANBI・2014-03-19)
出現記録GBIF 126 件(標本 94 / 観察 26 ほか)。iNaturalist 63 件
語源「毛を持つ(with hairs)」— Bayer が変種の項に置いた注記
流通名ピリフェラ

この表には、他の品種頁と違う書き方をした欄がふたつあります。ひとつはロゼット径と葉の枚数で、「種の記載値」と断ってあります。

Bayer 1999 は、クーペリーという種のレベルでは数値を書いていますが、ピリフェラという変種の項には数値をひとつも置いていません(2026-08-14 に本文を照会して確認)。変種の項にあるのは、書誌・タイプ・語源・識別の定性的な記述・産地の一覧だけです。

そこで表の数値は「種の値」として読んでください。

もうひとつは発表年です。基になった名前 Haworthia pilifera Baker の発表年は、GBIF と World Flora Online が 1870 年、Bayer 1999 が 1871 年と記しています。

国際植物名索引(IPNI)は年を記さず、書誌に「第 1〜5 巻・1869〜82 年」とあるだけです。ところが同じ Bayer が 1974 年の論文の参考文献欄では「1870」と書いている、つまり著者自身の記述のなかで年が揺れています。

本文では照合先 3 つが一致する1870 年を採り、Bayer 1999 が 1871 としていることを注として残します。原典は直接参照していません。

分類上の位置づけと関連資料
この頁 / VARIETY
ピリフェラという「名前」の 150 年
1870 年の発表・1948 年の消滅・1974 年の復活・1999 年の統合。「この名前は誰の子だったか」を知りたい人のための頁です。
別の頁 / SPECIES
クーペリーの全体像
親にあたる種と、そこに属する13 の変種の地図。ピリフェラが全体のどこに座るかを俯瞰したい方はこちらから。
別の頁 / TRADE NAME
オブツーサとは
売り場の「オブツーサ」がいま何を指しているか。流通名と学名の食い違いは、隣の変種の頁が引き受けています。

上の 2 枚目・3 枚目はそれぞれ別の記事です — ハオルチア・クーペリー(13 変種の全体像) と オブツーサとは(学名・自生地・13 変種のなかでの位置) からどうぞ。3つある頁がどう分担しているかは 「オブツーサとどう違うのか」節にまとめてあります。

まず、この植物の立ち位置をはっきりさせておきます。ピリフェラは、葉が硬く厚い硬葉系ではなく、葉がやわらかく光を透かす軟葉系のハオルチアです。

そのなかでもクーペリー(Haworthia cooperi)という種の、13 ある受理変種のひとつという位置にあります(GBIF の分類バックボーンを 2026-08-14 に照会した実測値)。

ただし「変種」という言葉から受ける印象と、この変種の実態はかなり違います。Bruce Bayer は『Haworthia Revisited』(1999)の本変種の項に、「この変種が種の本体をなす(This variety constitutes the main body of the species)」と書いています。

Bayerはこの変種を種の主要な部分に位置づけています。2026年8月14日のGBIF照会では126件の登録がありましたが、標本・観察・生体を含む件数で、その位置づけを野生個体数から検証したものではありません。

関連資料:「分布と保全」節

TAXONOMY / MEASURED 2026-08-14
ピリフェラはクーペリーの 13 変種のひとつ — 図に出るのは 2 つ
ツルボラン科 AsphodelaceaeALOOIDS
ハオルチア属 HAWORTHIA(軟葉系)/ 2013〜2016 年の 3 属分割後も残留
1948 年に親だった名前 OTHER LINEAGE / 現在は別の種の下
属と変種の所属・受理状態は GBIF Backbone(var. pilifera = usageKey 2780109 / status ACCEPTED / 親 2780103)、組合せの発表頁は同 publishedIn を 2026-08-14 に照会した実測値

ピリフェラの名札をたどると、独立種から別種の変種、さらにクーペリーの下位分類へと動いた来歴に出会います。姿を同じ群へまとめる判断と、その群にどの名を使うかは別の話です。

これは、この植物が特別に不安定だという話ではありません。ハオルチア属に何種あるかという問いには、研究者によって桁の違う答えが返ってきます。

林雅彦氏は 546 種、Ingo Breuer 氏は 366 種、Bruce Bayer 氏は 60 種という数を示してきました。細かく分ける立場と、まとめる立場の幅です。

南アフリカ国家生物多様性研究所(SANBI)のレッドリストも、この属が「似ていることより変異のほうを重く見る名づけが過剰に増えてきた」状態にあると注記しています(Bayer and Manning 2012 を引用)。ピリフェラの名前の往復は、その属全体の事情がひとつの分類群の上に現れたものと読めます。

「毛を持つ」という名前 — 語義と記載のずれ

まず、語源そのものは出典が取れます。Bayer は『Haworthia Revisited』の本変種の項に、pilifera を「毛を持つ(with hairs)」と 1 行だけ注記しています。

同じ本の隣の項では truncata を「鈍い葉を持つ(with obtuse leaves)」と注記しており、変種名がそれぞれ 1 つの形質を名指ししていることが分かります。

ところが、ここから先が思ったとおりになりません。「毛を持つ」という名前なのだから、この変種は毛が多いのだろう、と読みたくなります。

ですが Bayer 1999 の変種の項には、毛の量についての記述がありません。変種の識別として書かれているのは、次の 3 点だけです。

  • 鈍く終わる末端部に、はっきりした尖り(a pronounced point)が残る
  • 葉縁と竜骨(葉の裏側の稜)が鋭く角張る
  • 地表面に非常に強く引き込まれており、直射日光にさらされると葉先が切り詰まって壊死した末端部を作る
見る場所
この記事の写真から
読み取れること
写真だけでは
決まらないこと
葉先の毛(ノギ)
先端と縁から白い毛が伸びる 量の多い少ないで変種は決まらない
葉の終わり方
鈍く終わるが尖りが残る株がある どこまで鈍ければ別の変種か
葉縁と竜骨
角が立って見える株がある 角ばりの程度の範囲
面の脈
樹枝状の細い脈が透ける 脈の濃さと光量の対応
色
掲載写真には灰緑・青緑・紫褐色の葉が見える 色から産地は分からない
株の高さ
鉢では地表より上に出ている 自生地での引き込み方(記載では「非常に強く」)

左列はこの頁に載せた 4 枚の写真の所見、右列は写真からは決まらない項目(かっこ内は Bayer 1999『Haworthia Revisited』の記載)。写真の同定は撮影者と Commons の分類カテゴリによるものです候補として読む

記載と照合の詳細

さらに逆向きの記述もあります。同じ本で 種 H. cooperi の側を、Bayer は「一般に毛が少ないか、毛が短い葉によって区別される(generally less hairy or shortly haired leaves)」と書いています。

つまりクーペリーという種そのものが、近縁の種と比べれば「毛の少ない側」に置かれているということです。「毛を持つ」という名前が付いた変種が、その毛の少ない種の中心にいる、名前と記載が、素直には重なりません。

ここから引き出せる結論はひとつです。一次記載に当たったかぎり、毛の量でピリフェラを決めることはできません。

売り場で「毛が長いからピリフェラ」と説明されることがありますが、その基準は記載の側には書かれていない、ということです。

形質による絞り込みの手順は、別の頁が受け持っています。上面・横顔・毛の位置を同じ順で確かめる手順は、クーペリー系の見分け方に図解でまとめてあります。

ここでは同じ表を繰り返さず、その表がなぜ「候補」までしか出せないのかを見ます。そしてピリフェラの場合、その理由が名前の歴史そのものに書き込まれています。

1870 年 9 月、隣り合って発表された 2つある種

1870年の記載と図版の記録を読む
ピリフェラという名前は 150 年で 4 回、階級と親が変わっている FIG.01Timeline
第 1 期 記載 Baker が独立種 Haworthia pilifera を発表 同じ本の図版 234。1 枚手前の 233 が H. cooperi
第 2 期 親になる von Poellnitz が pilifera の下に変種を並べる var. salina / var. stayneri / f. acuminata
第 3 期 消える Uitewaal が H. obtusa var. pilifera へ降格 根拠はキューにある 1 枚の水彩画
第 4 期 戻る Bayer & Pilbeam が種として復活させる 「Uitewaal は誤っていた」と結論
第 5 期 クーペリー内の位置づけ Pilbeam が品種へ、Bayer が変種へ 分類上の位置づけと、統合した群の採用名選択を分けて読む
独立した名前として立つ動き 自分が親になる動き 他の名前へ畳まれる動き 概念図

始まりは 1870 年です。キュー植物園の John Gilbert Baker が、Saunders の『Refugium Botanicum』第 4 巻に、Haworthia pilifera という名前を独立した種として発表しました。

掲載は図版 234。そしてその 1 枚手前、図版 233 に載っているのが Haworthia cooperi です。

Bayer & Pilbeam(1974)の論文に載る図版キャプションでは、両方とも「1870 年 9 月」の日付が付いています。

つまり、クーペリーとピリフェラは兄弟のように発表された名前です。同じ著者が、同じ雑誌の同じ巻で、連続する 2 枚の図版として並べて記載した。

図版233と234は、発表当初は独立した名前として並んでいました。後に同じ種の中へ位置づける分類判断と、まとめた群へ採用する名前の選択は別です。

関連資料:「1974年の再検討と、採用名を選ぶ話」節

階級名前誰が / いついまの扱い(GBIF)
変種(受理)Haworthia cooperi var. pilifera (Baker) M.B.BayerBayer・1999
Haworthia Revisited: 54
受理名(usageKey 2780109)
種Haworthia pilifera BakerBaker・1870
Refug. Bot. 4: t. 234
シノニム(基になった名前)
種Catevala pilifera (Baker) KuntzeKuntze・1891
Revis. Gen. Pl. 2: 707
シノニム(別属へ移した組合せ)
種Haworthia stayneri Poelln.von Poellnitz・1937
Repert. Spec. Nov. 42: 270
シノニム(別種として立てられた)
変種Haworthia pilifera var. stayneri / var. salinavon Poellnitz・1938
同 44: 237
シノニム(pilifera が親だった時期)
品種Haworthia pilifera f. acuminata Poelln.von Poellnitz・1940
同 49: 27
シノニム(同上)
変種Haworthia obtusa var. pilifera (Baker) UitewaalUitewaal・1948
Succulenta 29: 50
シノニム(次章の主題)
品種Haworthia cooperi f. pilifera (Baker) PilbeamPilbeam・1983
Haworthia & Astroloba: 58
シノニム(クーペリーの品種へ)
種Haworthia salina (Poelln.) M.Hayashi林・2010
Haworthia Study 22: 11
シノニム
種Haworthia luri M.Hayashi林・2018
Alsterworthia Int. 18(2): 31
シノニム。SANBI は「不正な発表」と注記
受理・シノニムの関係は GBIF Backbone(usageKey 2780109 とその synonyms 14 件)と World Flora Online(wfo-0000650023・2026-06 版・同 14 件)を 2026-08-14 に照会した実測値。各名前の原記載の書誌は国際植物名索引(IPNI)で突き合わせた。表は主要な 10 行を抜いたもので、H. stayneri var. salina など 4 件は割愛している。Haworthia luri への「(invalidly published)」の注記は SANBI の変種頁にあるもので、当サイトはその当否を判定しない。
記載と照合の詳細

この表で見てほしいのは、真ん中あたりの 3 行です。1937 年から 1940 年にかけて、von Poellnitz は H. stayneri という別種を立て、それを H. pilifera の変種へ移し、さらに H. pilifera var. salina、H. pilifera f. acuminata という名前を作りました。

つまりこの時期、ピリフェラは「畳まれる側」ではなく「畳む側」、自分が親である種でした。いまはクーペリーの一変種として置かれている名前が、80 年前には自分の下に変種を持っていたということになります。

名前の階級は、植物の側の性質ではありません。同じ植物が、種と呼ばれたり変種と呼ばれたり品種と呼ばれたりするのは、その集団をどこまでの幅で見るかという、人間の側の判断が変わったからです。

名前の対照表に、階級が動いた名前を並べてあります。

1948年、オブツーサの名にまとめられた理由

1948年の統合と名前の対応を読む
ガラス容器に植えられた軟葉系ハオルチアの単一ロゼットを真上から写した写真。淡い黄緑色の葉が放射状に並び、葉の上半分は半透明で細かい白い斑点が散る。葉先はごく短く枯れて褐色になり、長い毛は見えない。容器の外はコンクリートの床
同じ Commons のカテゴリに入っている別の株。この写真のファイル名は「Haworthia obtusa pilifera」で、いまは使われない 1948 年の名義がそのまま残っています。葉先の毛は写っておらず、先端は短く枯れて終わっています。本記事はこの株を「ピリフェラである」とも「オブツーサである」とも書きません — 掲載カテゴリが H. cooperi var. pilifera であるという事実だけを示します。Photo: Levi Clancy / CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

1948 年、オランダの A.J.A. Uitewaal が『Succulenta』誌 29 巻 50 頁で、いくつもの名前を一度に動かしました。その内容は、Haworthia obtusa という種を立て直し、Haworthia pilifera をその変種へ落とすというものです。

同じ頁で stayneri も salina も acuminata も、そろって obtusa の下へ移されました。GBIF が記録するピリフェラのシノニム 14 件のうち、4 件がこの 1948 年 1 回で生まれた名前です。

問題は、その根拠でした。Bruce Bayer と J.W. Pilbeam が 1974 年に『Cactus & Succulent Journal (U.S.)』第 46 巻へ発表した論文によれば、Uitewaal が拠ったのは、キュー植物園の図書室にある 1 枚の水彩画でした。

描いたのは Thomas Duncanson というキュー付きの画家で、Haworth と同時代の人です。Uitewaal はこの絵を H. obtusa として扱い、そこから種の記述を書き起こしました。

「しかも彼は、絵から記述をこしらえているのです」(Bayer & Pilbeam 1974 が引用する G.G. Smith の書簡より・要約)

1948 年に Uitewaal が立てた名前もとの名前いまの扱い
Haworthia obtusa var. pilifera (Baker) UitewaalH. pilifera Baker(1870)var. pilifera のシノニム
Haworthia obtusa var. stayneri (Poelln.) UitewaalH. stayneri Poelln.(1937)同上
Haworthia obtusa var. salina (Poelln.) UitewaalH. stayneri var. salina(1937)同上
Haworthia obtusa f. acuminata (Poelln.) UitewaalH. pilifera f. acuminata(1940)同上
7 年後、この体系の内側でもうひとつの名前が立つ
Haworthia obtusa var. pilifera f. truncata H.Jacobsen
(= 現在の var. truncata = 売り場の「オブツーサ」)
—(新しい名前)H. cooperi var. truncata の基になった名前。
Natl. Cact. Succ. J. 10: 81(1955)
1948 年の 4 名は GBIF Backbone / World Flora Online / SANBI レッドリスト(変種頁の Synonyms 欄)を 2026-08-14 に照会した実測値で、3 者とも H. cooperi var. pilifera のシノニムに置いている。最下行の Jacobsen の名前は資料で書き方が 2 通りに割れている — SANBI(2024)と Bayer & Pilbeam(1974)は H. obtusa var. pilifera f. truncata とピリフェラの下位として記し、GBIF・IPNI・Bayer 1999 は H. obtusa f. truncata と縮めて記す。当サイトはどちらが正しいかを判定せず、両方の書き方があることを示す。
記載と照合の詳細

1974 年の論文は、その手順そのものを問題にしています。Uitewaal はHaworth 自身が 1825 年に書いた原記載を「不完全で誤解を招く」と退けたうえで、絵のほうから記述を作った、というのが指摘の中身です。

1974年の論文はG.G. Smithの書簡を引用し、絵から記述を組み立てたUitewaalの手順への批判を紹介しています。引用した書簡の要点と、図版234を名前の基準にする手続きは区別して読みます。

ピリフェラでは図版234がレクトタイプとして使われています。図を名前の基準にする手続きと、分類群の境界をどう考えるかは分けて読みます。

この表の最下行が、いまの売り場につながっています。1955 年、H. Jacobsen は『National Cactus & Succulent Journal』10 巻 81 頁に、葉先が切り詰まった株に truncata という名前を与えました。

これがのちに Haworthia cooperi var. truncata となり、日本で「オブツーサ」と呼ばれている株にあたります。

そして注目したいのが、その名前の書かれ方です。SANBI のレッドリスト(2024 年版)と Bayer & Pilbeam(1974)は、この名前を Haworthia obtusa var. pilifera f. truncata 、つまり「ピリフェラという変種の、さらに下の品種」として記録しています。

1955 年当時の体系のなかで、のちにオブツーサと呼ばれる株は、ピリフェラの内側に置かれた名前でした。いま売り場で主役なのはオブツーサのほうですが、名前の順序としては、ピリフェラのほうが 85 年ぶん先にあります。

1974年の再検討と、採用名を選ぶ話

1974年以降の検討と1999年の整理を読む

1974 年、Bayer と Pilbeam は Uitewaal の 1948 年の判断を正面から否定しました。論文の要旨は明快です。

Uitewaal は H. obtusa と H. pilifera を結びつけた点で誤っており、H. obtusa は H. cymbiformis(シンビフォルミス)の一形にすぎない。したがって H. pilifera は種として復活させる、というものです。

その根拠は、絵ではなく生育のしかたでした。論文が挙げるのは、次のような対比です。

見る場所H. pilifera(現 H. cooperi の側)H. cymbiformis(obtusa の行き先)
生える場所草地のまばらな植被の岩がち・浅い土壌川沿いの切り立った岩壁(krantz)
色灰緑色で桃〜紫の色調。鮮緑にはならない鮮やかな明るい緑
根太く多肉で広がる浅い割れ目に押し込まれた密な根
強い光に当てたとき葉面が土の高さまで下がる。葉先が切り詰まり壊死末端を作る地表より上に留まり、引っ込まない
花やや黄みを帯びた白。太めの花柄につく澄んだ白。短く細い花柄につく
Bayer, M.B. & Pilbeam, J.W. 1974「Name Changes in Haworthia Concerning H. obtusa Haw. and H. pilifera Bak.」(Cactus & Succulent Journal (U.S.) Vol. XLVI)の記述にもとづく。同論文は、この違いをカルー植物園で日陰から明るい光へ 5 か月移す比較栽培で確かめたと記す。引用される G.G. Smith の書簡には「H. pilifera は岩壁で見つかったことが一度もない」という一文がある。
Commons「Haworthia cooperi var. pilifera」カテゴリ 13 枚のファイル名の内訳(2026-08-14 実測) FIG.02Names
pilifera を含む11 枚
cooperi を含む9 枚
obtusa を含む(1948 年の名義)3 枚
ラテン学名を一切含まない1 枚
記載と照合の詳細

ここで 1 行だけ、名前の現在地に触れておきます。学名としての Haworthia obtusa Haw.(1825 年発表)は、現在 Haworthia cymbiformis var. obtusa という受理名の下に置かれています(GBIF 実測)。

つまり学名の obtusa は、いまクーペリー側ではなくシンビフォルミス側の名前です。この食い違いが日本語の「オブツーサ」という呼び名にどう効くかは、オブツーサの頁とクーペリー系の見分け方が扱っています。

本頁はこれ以上踏み込みません。

さて、1974 年の論文には、末尾に短い脚注が付いています。そこには、おおよそ次のことが書かれています、もし H. vittata と H. cooperi が H. pilifera のシノニムとされるなら、そのときは H. cooperi が「頁の優先(page priority)」を持つことになり、複合体全体にこの名前を採らねばならない。

『Haworthia Revisited』のクーペリー項は、1982年と1999年の記述を区切って掲載しています。page preferenceの文は1982年区分にあり、まとめた群にどの名前を使うかを説明したものです。

1999年にはvar. piliferaという変種の組合せが示されました。

ピリフェラをクーペリーの中へ置く分類上の判断と、まとめた群に使う名前の選択は別です。図版233と234の順番だけで、種が変種になったわけではありません。

名前は畳まれても、ファイル名のなかでは生き続けています。Commons の Category:Haworthia cooperi var. pilifera には 13 枚の写真が入っていますが、そのうち 3 枚(23%)はファイル名に obtusa を含みます。

この照会では13枚中3枚のファイル名にobtusaが残っていました。掲載した4枚のうち2枚も同じ旧名を含み、記載の変更と写真のファイル名の更新は別に進むことが分かります。

ところが、標本と観察の記録の側では逆になります。GBIF に集まったピリフェラの出現記録 126 件について、登録された元の学名(verbatim)を数えると、H. cooperi var. pilifera 名義が 117 件、H. pilifera Baker が 7 件、H. cooperi f. pilifera(Pilbeam)が 1 件、そして H. obtusa var. pilifera(Uitewaal)が 1 件でした。

取得した126件には複数の旧名が残り、H. obtusa var. pilifera名義は1件でした。この内訳から、研究者全体がその名を使わなくなったとは一般化しません。

オブツーサとどう違うのか — 3つある頁の使い分け

知りたいこと読む頁その頁が持っているもの
クーペリーって何の集まり?
変種はいくつある? 名前はなぜ多い?
ハオルチア・クーペリー13 変種の一覧表・84 の学名の来歴・東ケープ州の分布・変種ごとのGBIF登録件数
売り場の「オブツーサ」って結局なに?
学名の obtusa と何が違う?
オブツーサとは流通名と学名の食い違い・var. truncata の窓の作り・13 変種のなかでの位置
ピリフェラって何?
なぜオブツーサと混ざる?
この頁1870 年から現在までの名前の 5 期・1948 年の統合と 1974 年の反証・「頁の優先」・毛の語義と記載のずれ
手元の株の名前を絞りたいクーペリー系の見分け方上面・横顔・毛の位置を見る観察と、そこから先の比較
系統の全体像から入りたいハオルチアの品種と系統の全体像軟葉系・硬葉系・万象・玉扇という系統の地図
当サイトのクーペリー関連 5 頁の分担。品種頁が同じ表を何度も作らないよう、担当を分けてあります。

「オブツーサとピリフェラはどう違うのか」という問いには、じつは 2つある答え方があります。ひとつは姿の違いで、もうひとつは名前の関係です。

写真では葉先や毛の位置、資料では学名の関係を比べられます。両方を使い、同定を確かめる際は株の由来も確認します。

名前の関係でいえば、両者は「兄弟」です。どちらも Haworthia cooperi という 1 つの種に属する変種で、1999 年の『Haworthia Revisited』では 54 頁と 55 頁、文字どおり隣のページ、に並べて置かれました。

上下関係はありません。ただし歴史をさかのぼると、1955 年の時点ではオブツーサの側の名前がピリフェラの内側に置かれていた(「1948年、オブツーサの名にまとめられた理由」節)ので、「兄弟」になったのは 1999 年からということになります。

記載と照合の詳細

Bayerの記載ではtruncataの径70mmまで、葉20〜25枚などの数値と、piliferaの葉先・葉縁・竜骨の定性的な特徴が示されます。両者の項は同じ測定項目で書かれていないため、別々の記載として読みます。

ですが Bayer 自身が、var. truncata と近縁の var. dielsiana の区別について「主に地理的な根拠による(largely on geographical grounds)」と書いています。産地の分からない栽培株では、その根拠が使えません。

Bayerは、Breuerの指摘を受けてtruncataという名前の適用先を選んだと説明しています。著者が検討した別の配置も、資料の中の見解として読みます。

同じ項でBayerは、別の分類上の選択も考えられることを述べています。これは著者の分類上の検討で、販売名オブツーサの帰属が永久に確定不能だという意味にはしません。

分布と保全 — 記録は最多、判定は「未評価」

小さなロゼットがいくつも寄り集まった軟葉系ハオルチアの群れを斜め上から写した写真。紫褐色の葉と緑の葉が見える。とがった葉のふちには細かい毛が並び、まわりは白っぽい軽石と細かい土
小さなロゼットが集まり、緑と紫褐色の葉が見える株。写真は色と株姿の記録で、日差しの違いを比較した実験ではありません。この写真のファイル名は「Haworthia obtusa var.pilifera」で、1948 年に Uitewaal が立てた学名そのままの表記です(掲載カテゴリは H. cooperi var. pilifera)。Photo: Honmingjun / CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

分布は、東ケープ州に収まっています。SANBI は親種のクーペリーを南アフリカ固有とし、分布州として東ケープ州の 1 州だけを挙げています。

Bayer 1999 はピリフェラの分布の中心を King Williamstown と Grahamstown とし、1974 年の論文は範囲を東は Idutywa、北西は Bedford と Cradock、西は Grahamstown までと記しています。この頁が書く産地は、ここまでです。

Bayer 1999 の産地一覧には方眼番号つきの地名が並んでいますが、掲載しません。

分類群GBIF 出現記録iNaturalist 観察読み方
H. cooperi(種全体)54947713 変種と、変種まで落とされていない記録の合計
var. pilifera(この頁)1266313 変種で最多。種全体の 23.0%
var. isabellae—26—
var. gordoniana—20—
var. truncata(オブツーサ)419この表の登録件数と、販売の多さは別の情報
GBIF Occurrence(taxonKey 単位)と iNaturalist の taxon 別観察数を 2026-08-14 に個別照会した実測値。件数は記録された回数であって、野生での個体数でも分布の広さそのものでもありません。GBIF の 126 件の内訳は標本 94 / 人による観察 26 / 生体 4 ほかで、提供元は南部アフリカ植物データベース(BODATSA)88 件・iNaturalist 26 件が中心。最古の記録は 1891 年。

GBIFの126件の内訳は標本94件、人による観察26件、生体4件ほかです。標本が多い取得データですが、それぞれの原株が野生由来かどうかは個別記録で確認する情報です。

この件数はデータベースに登録された記録です。流通量や野生個体数、栽培株が記録されにくいという因果を、この表だけからは読み取りません。

変種ごとの記録の濃淡そのものについては、クーペリーの頁が 13 変種ぶんの表で扱っています。

評価された対象カテゴリ出典 / 版
H. cooperi var. piliferaLeast Concern(低懸念)Raimondo et al.(2009)
H. cooperi var. truncata ほか 9 変種Least ConcernRaimondo et al.(2009)
H. cooperi var. venustaCR B1ab(iii,v)+2ab(iii,v)(深刻な危機)Raimondo et al.(2009)
Haworthia cooperi Baker(種)Data Deficient — Taxonomically Problematicレッドリスト版 2014.1(評価日 2014-03-19)
H. cooperi var. pilifera(現在)Not Evaluated(未評価)
理由 =「種内分類群は評価しない」
SANBI 2024.1(変種の頁)
SANBI 南アフリカ植物レッドリストの本変種の頁(2215-304)と親種の頁(2215-4008)の「Assessment History」を 2026-08-14 に照会した実測値。親種の現行評価の評価者は L. von Staden、R.R. Klopper、J.C. Manning。評価履歴は全 16 行あり、15 の種下分類群が 2009 年に個別評価されている。
記載と照合の詳細

市民科学の側の数字も出しておきます。iNaturalist のピリフェラの観察は 63 件で、うちリサーチグレードが 36 件、野生と記録されたものが 36 件、栽培・飼育と記録されたものが 27 件(42.9%)でした。

4 割強が鉢の株ということになります。ただしこの比率を流通量の推定に使うことはできません、観察データには流通名も入手経路も記録されていないからです。

この表は、ムチカやレツーサとは少し違う形をしています。2009 年の版では、クーペリーの 15 の種下分類群が個別に評価されていました。

そのうち 14 が Least Concern(低懸念)で、ピリフェラもそのひとつ。ただ 1 つ、var. venusta だけが CR(深刻な危機)という判定を受けています。

ところが 2014 年に、変種ごとの評価が無くなりました。SANBI は種のクーペリーに Data Deficient — Taxonomically Problematic(データ不足 — 分類学的に問題あり)という判定を与え(2014-03-19)、その理由を「変異が大きく他のハオルチアと区別しにくい。

とくに H. cymbiformis と H. decipiens と紛れる。分類が解決するまで絶滅リスクを評価できない」としました。

そして変種の側の頁は「Not Evaluated(未評価)」に変わり、理由の欄には「種内分類群は評価しない: Haworthia cooperi を見よ」とだけ書かれています。

整理すると、こうなります。ピリフェラは「危険がある」とも「危険がない」とも、いまは言われていません。

2009 年には低懸念という判定を一度もらっていましたが、2014 年に名前の線が引けなくなり、判定そのものが取り下げられました。評価が外れたのは、危険が減ったからではなく、評価する単位が定まらなくなったからです。

SANBIのこの評価では、種内分類群を個別に評価せず、種の分類上の問題を理由に評価を保留しています。形が見分けやすいかだけで保全評価の有無が決まるわけではありません。

SANBI の親種の頁には脅威(Threats)の欄そのものが無く、個体群動向も Unknown(不明)とだけ記されています。

まとめ

窓の脈を追い、葉先の尖りと毛を見る。ピリフェラは、オブツーサと並べると輪郭の違いを楽しめる仲間です。

古いラベルを残しておけば、図版234から続く名前の変遷にもつながります。

FAQ

オブツーサとピリフェラは、どう違うのですか?
どちらもクーペリーの変種として扱われます。ピリフェラでは葉先の尖りや角張った縁、オブツーサでは短く丸い葉先を比べ、由来も確認します。
「Haworthia pilifera」というラベルで買いました。古い名前ですか?
独立種として発表されたときの名前です。現在採用する体系ではHaworthia cooperi var. piliferaに対応するため、元のラベルも保存します。
「毛を持つ」という名前なのに、うちの株はあまり毛がありません
名前は毛に由来しますが、毛量だけを決め手にしません。葉先の尖り、葉縁・竜骨の形と由来を合わせて見ます。
なぜピリフェラは種から変種になったのですか?
Bayerがクーペリーの変異の中へ位置づけた分類上の判断です。1982年区分のpage preferenceは統合した群に使う名前の選択を説明するもので、図版の順番だけで変種になったわけではありません。
「Haworthia obtusa var. pilifera」という表記を見かけました。別の植物ですか?
1948年にUitewaalが採用した組合せです。2026年8月14日のGBIFなどの照会では、現在のvar. piliferaのシノニムに置かれています。
ピリフェラは絶滅危惧種ですか?
SANBIの変種頁はNEで、種内分類群を評価しない扱いです。親種は分類上の問題によるDDTで、未評価を安全の意味には使いません。
何℃まで耐えられますか?
この分類群に固有の耐寒限界は示されていません。凍結を避け、夜の窓際の冷えと鉢の乾き方を確認します。
葉先が枯れて茶色くなりました。病気でしょうか?
Bayerには露出した葉先の壊死に関する記述がありますが、手元の茶変が正常かどうかはそれだけで決まりません。広がり方、土の湿り、葉や根の状態を確かめます。
道具はここに集約ハオルチアの育成環境と道具|置き場所から選ぶLED・土・鉢・棚 親にあたる種クーペリーの見どころと育て方|オブツーサとの関係・13変種 隣のページの変種オブツーサの育て方と見分け方|丸い窓と学名の関係を知る 姿から絞り込むクーペリー系の見分け方|オブツーサ・シンビフォルミス・レツーサを 3 つの軸で分ける
出典
  • GBIF Backbone Taxonomy — Haworthia cooperi var. pilifera (Baker) M.B.Bayer(usageKey 2780109・status ACCEPTED・rank VARIETY・publishedIn Haworthia Revisited: 54, 1999・親 2780103)とその種階級以下のシノニム 14 件、基になった名前 Haworthia pilifera Baker(usageKey 2780117・Refug. Bot. 4: t. 234, 1870)。2026-08-14 照会: GBIF 種ページ(var. pilifera) / 同(H. pilifera Baker)
  • GBIF Backbone — 親種 Haworthia cooperi Baker(usageKey 2780103・Refug. Bot. 4: t. 233, 1870)と、その受理変種 13 の一覧・各組合せの発表頁。API が返す子ノード 14 件のうち 1 件は菌類の配列由来の識別子で、変種として数えていない。2026-08-14 照会: GBIF 種ページ(H. cooperi)
  • GBIF Backbone — Haworthia obtusa Haw.(usageKey 2779856・status SYNONYM・Philos. Mag. J. 67: 282, 1825)の受理名が Haworthia cymbiformis var. obtusa (Haw.) Baker(usageKey 2779852)であること。2026-08-14 照会: GBIF 種ページ(H. cymbiformis var. obtusa)
  • GBIF Occurrence — var. pilifera の出現記録 126 件、国別(南アフリカ 117)、州別(東ケープ 114)、記録種別(標本 94 / 人による観察 26 / 生体 4 ほか)、提供元別(南部アフリカ植物データベース 88 / iNaturalist 26 ほか)、年代別(最古 1891 年)、登録された元の学名の内訳(var. pilifera 名義 117 / H. pilifera Baker 7 / H. obtusa var. pilifera 1 / H. cooperi f. pilifera 1)。比較に用いた H. cooperi(549)と var. truncata(4)の件数も同 API で実測。2026-08-14 照会: GBIF Occurrence 検索(taxonKey 2780109)
  • IPNI(国際植物名索引)— Haworthia cooperi var. pilifera(Haworthia Revisited 54, 1999 / IPNI 1014740-1): IPNI 1014740-1 / Haworthia pilifera Baker(Refug. Bot. [Saunders] t. 234 / IPNI 536164-1): IPNI 536164-1 / Haworthia cooperi Baker(同 t. 233 / IPNI 536029-1): IPNI 536029-1 / Haworthia obtusa var. pilifera (Baker) Uitewaal(Succulenta 29: 50, 1948 / IPNI 77278854-1): IPNI 77278854-1 / Haworthia obtusa f. truncata H.Jacobsen(Natl. Cact. Succ. J. 10: 81, 1955 / IPNI 51027785-1): IPNI 51027785-1。IPNI は Baker の 2 名について発表年を記さず、書誌に「第 1〜5 巻・1869〜82 年」とあるのみ
  • World Flora Online(分類版 2026-06)— Haworthia cooperi var. pilifera は受理(WFO ID wfo-0000650023)、Haworthia pilifera Baker(wfo-0000652528)を含むシノニム 14 件とその書誌。2026-08-14 に照合 API で実測。WFO のサーバーは証明書の中間鎖を送っていないためリンク検査を通せませんので、リンクではなく WFO ID を記します(worldfloraonline.org で ID を検索してください)
  • SANBI 南アフリカ植物レッドリスト — 本変種の頁(2215-304)の国内評価 Not Evaluated と理由「種内分類群は評価しない: Haworthia cooperi を見よ」、およびシノニム 12 件(H. obtusa var. pilifera / var. salina / var. stayneri、H. salina、H. luri〔invalidly published と注記〕ほか)。2026-08-14 照会: SANBI レッドリスト(var. pilifera)
  • SANBI 南アフリカ植物レッドリスト — 親種 Haworthia cooperi の頁(2215-4008)の全国評価 Data Deficient – Taxonomically Problematic(評価日 2014-03-19、評価者 L. von Staden・R.R. Klopper・J.C. Manning)、評価理由(H. cymbiformis と H. decipiens と区別しにくい)、南アフリカ固有、分布州(東ケープ)、個体群動向 Unknown、属についての注記、および評価履歴 16 行(2009 年の版で var. pilifera = Least Concern、var. venusta = CR ほか)。2026-08-14 照会: SANBI レッドリスト(H. cooperi)
  • SANBI 南アフリカ植物レッドリスト — var. truncata の頁(2215-307)。シノニム欄に Haworthia obtusa Haw. var. pilifera (Baker) Uitewaal forma truncata H.Jacobsen が記載されている(この頁 「1948年、オブツーサの名にまとめられた理由」節)。2026-08-14 照会: SANBI レッドリスト(var. truncata)
  • SANBI PlantZAfrica — 本変種にも親種にも解説頁が存在しないこと(haworthia-cooperi / haworthia-cooperi-var-pilifera / haworthia-pilifera が HTTP 404 / 同サイトの H. cymbiformis の頁は 200)を 2026-08-14 に実測: SANBI PlantZAfrica(比較に用いた頁)
  • iNaturalist — Haworthia cooperi var. pilifera(taxon 599559)の観察 63 件、うちリサーチグレード 36 / 野生 36 / 栽培 27。2026-08-14 実測: iNaturalist taxon 599559
  • Wikimedia Commons — Category:Haworthia cooperi var. pilifera(ファイル 13 件。うち 3 件のファイル名が obtusa 名義、1 件はラテン学名を含まない)。Category:Haworthia pilifera はカテゴリとして存在しない。各画像のライセンス版と作者は API で個別に実測
  • Bayer, M.B. 1999. Haworthia Revisited — 8. Haworthia cooperi(著者自身が全文を公開しているテキスト。査読誌ではありません)。この頁が引いたのは、種の記載(ロゼット径 120 mm まで・しばしば増殖性・葉 20〜40 枚・葉縁の刺 2 mm 未満・青緑で露出時に紫を帯びる・花序 20 cm まで・花 20〜30 個で花被は白)、「H. cooperi は一般に毛が少ないか毛が短い葉によって区別される」、「H. cooperi も等しく適用でき、他の 2つある名前に対して page preferenceを持つ」(1982年区分の記述)、var. pilifera の項(語義注記「pilifera: with hairs」・レクトタイプが図版 234 という図であること・「この変種が種の本体をなす」・識別の 3 点・産地一覧)、var. truncata の項(「Breuer 氏の指摘が無ければ H. cymbiformis var. obtusa へ組み入れていた」「これは選択が完全に開かれたままの事例である」・「区別は主に地理的な根拠による」・形態の記載値)。2026-08-14 照会: Haworthia Revisited 8. Haworthia cooperi
  • Bayer, M.B. & Pilbeam, J.W. 1974.「Name Changes in Haworthia Concerning H. obtusa Haw. and H. pilifera Bak.」Cactus & Succulent Journal (U.S.) Vol. XLVI. この頁が引いたのは、Uitewaal(1948)がキュー植物園の水彩画(画家 Thomas Duncanson)を根拠に H. pilifera を H. obtusa の変種へ落としたこと、Haworth の原記載を「不完全で誤解を招く」と退けて絵から記述を書き起こしたという指摘、引用される G.G. Smith の書簡(「絵から記述をこしらえている」「H. pilifera は岩壁で見つかったことが一度もない」)、H. pilifera と H. cymbiformis の生育地・色・根・露出時の反応・花の違い、カルー植物園での 5 か月の比較栽培、1974 年時点の分布の範囲、「H. cooperi が page priority を持つことになる」という末尾の脚注、Baker の 2 図版がともに 1870 年 9 月の日付であること。2026-08-14 照会: Name Changes in Haworthia(1974)
  • ISHS(国際園芸学会)ICRA 一覧 — Haworthia の国際栽培品種登録機関が HAWORTHIA SOCIETY OF JAPAN(日本ハオルシア協会・2014 年指定)であること、登録担当が Dr Hayashi Masahiko であること、対象が Haworthia(Haworthiopsis・Tulista を含む)・Astroloba・Chortolirion とその交配種を 1 つの品種名グループとして扱うこと。2026-08-14 照会: ISHS ICRA 一覧 #100
  • この頁が参照した分類整理の一次文献: Baker, J.G. 1870. Refugium Botanicum(Saunders)4 / Kuntze, O. 1891. Revisio Generum Plantarum 2 / von Poellnitz, K. 1937–1940. Feddes Repertorium 42・44・49 / Uitewaal, A.J.A. 1948. Succulenta 29 / Jacobsen, H. 1955. National Cactus & Succulent Journal 10 / Pilbeam, J. 1983. Haworthia & Astroloba: a Collector’s Guide / Bayer, M.B. 1999. Haworthia Revisited. Umdaus Press / Bayer, M.B. & Manning, J.C. 2012. Haworthia Update 7(4) / Raimondo, D. et al. 2009. Red List of South African Plants. Strelitzia 25(いずれも GBIF / IPNI / SANBI / WFO の書誌欄に記載。原典は直接参照しておらず、記述はデータベースの登録内容と、著者自身が公開しているテキストにもとづきます)
  • 画像は CC ライセンス画像(PD / CC0 / CC BY / CC BY-SA)のみを使用しています。各画像の作者・ライセンス・出典は 画像クレジット・出典一覧 に掲載しています

資料を読むときの補足

2026年8月14日の照会ではピリフェラ単独のPlantZAfrica頁を取得できませんでした。栽培はハオルチア属の一般解説を参照し、親種や他変種の寸法・産地条件をそのまま転用しません。

ただし、個々の銘は列挙しません。今回の照会範囲では、日本語で通用する呼び名を一次ソースで裏づけられなかったためです。

Wikimedia Commons には漢字の名前が付いた写真もありますが、実測するといずれも中国語(zh-tw)のタグが付いた記述で、日本語の一次記述ではありませんでした。

価格については、この頁では扱いません。「ピリフェラ」というラベルで売られる株に無斑個体と斑入りの銘が混ざることが分かっているからです。

名前ごとの集計がそのまま参考値にならない以上、数字を出すこと自体が誤解のもとになります。

照合先Haworthia pilifera Baker の扱い実測した値
GBIF BackboneシノニムusageKey 2780117 → 受理 2780109(H. cooperi var. pilifera)
World Flora Online(2026-06 版)シノニムwfo-0000652528 → wfo-0000650023
SANBI レッドリストシノニムとして列挙変種頁(2215-304)の Synonyms 欄に 12 件のひとつとして記載
iNaturalist独立の taxon が無い変種 taxon 599559 に集約される
Wikimedia Commonsカテゴリが存在しないCategory:Haworthia pilifera は未作成(API が missing を返す)
5 つの公開プラットフォームを 2026-08-14 に個別照会した実測値。学名を扱う 4 つはそろってクーペリー側へ畳んでおり、画像を扱う Commons にはそもそも独立のカテゴリが無い。
Field Note出典と確認日

本変種ではとくにその制約が重く、南アフリカ国家生物多様性研究所(SANBI)は親種の評価を「変異が大きく他のハオルチアと区別しにくい」として保留し、変種そのものの評価を「未評価」としています。形態と語源と名前の来歴は Bruce Bayer の記述にもとづきます — 『Haworthia Revisited』(1999)は著者自身が公開しているテキストで査読誌ではありません(Uitewaal 1948 と Jacobsen 1955 の原記載は未参照)。

Bayer 1999 は変種の項に形態の数値を置いていないため、この頁の数値はすべて種 H. cooperi の記載値です。花期・耐寒温度・灌水頻度・用土配合は一次資料を確認できず、この頁では書いていません。

出現記録の件数は調査・観察の努力量に左右されるため、野生での個体数や分布の広さそのものではありません。また写真の同定は Wikimedia Commons の投稿者・分類カテゴリに由来するもので、この図鑑が検分した結果ではありません。

画像クレジット

この頁の写真は Wikimedia Commons の CC ライセンス画像です(PD / CC0 / CC BY / CC BY-SA のみ採用・ND / NC は不採用)。ピリフェラの写真には CC BY 2.5、CC BY 3.0、CC BY-SA 4.0 を含みます。毛の位置の比較には、オブツーサとベヌスタの別株写真も加えています。

継承条件は CC BY-SA の写真に付きます。ピリフェラとして掲載した写真の Commons の分類カテゴリは Haworthia cooperi var. pilifera ですが、うち 2 枚はファイル名が 1948 年の obtusa 名義のままで、この頁はその事実そのものを 「1974年の再検討と、採用名を選ぶ話」節の資料として使っています。


扉の写真: Photo: Agnieszka Kwiecień (Nova) / CC BY 2.5, via Wikimedia Commons(ポーランド・ヴロツワフ大学植物園の栽培株)
本文の観察・比較・資料写真の帰属は各 figure のキャプションに記載しています。サイト全体の画像出典は画像クレジットにまとめています。

追加照合した資料の範囲

Bayer cooperi項の種記載とvar.pilifera項を区別。page preferenceは1982区分の採用名選択で、分類統合の原因ではない。

本文の出品・観察件数は元の調査日を保持。写真の同定名は掲載元の記録によります。

  • URLをコピーしました!
目次