軟葉系13 章約16分で読めます
寿(レツーサ)の見どころと育て方|上を向く窓・近い種類との見分け方
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レツーサHaworthia retusa / 寿(ことぶき)
魅力三角形の窓と、外へ反る厚い葉育て方を見る →
三角形の窓が、低い星形に並ぶ。レツーサは、葉の上面と白い筋を眺めるハオルチアです。日本の流通名は「寿(ことぶき)」。明るい窓辺で育てながら、真上と斜めから見える葉の表情を楽しめます。
最初に実写真で見どころをつかみ、育て方、近縁との境界、古い図版の順へ。名前を調べたい人は、1701年の銅版画と1802年の彩色図版までたどれます。
レツーサの見どころ — 上を向いた窓と白い筋
01
上を向いた窓と、葉の反りを見る
実写真の観察

- 上を向いた窓右上の生きた葉の、三角形の面を見る。
- 外へ反る位置中央左の葉で、明るい窓から濃い側面へ変わる角を追う。
- 窓を走る白い筋右中央の葉の面に並ぶ白い筋を見る。


番号1・2と同じ葉の同じ箇所を部分拡大。葉にしわのある参照株の形を見ています。
同じ写真の三つの位置を見比べると、好みの株姿を言葉にしやすくなります。
葉にしわのある参照株の形を観察。水やりの判断には、土・根・気温も合わせます。
葉が外へ反り返り、切り詰められた上面が平らな窓になる。窓には白い筋が網目状に走る。Commons では Haworthia retusa として掲載。Photo: S Molteno / CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
葉先が丸いオブツーサと並べると、レツーサは平たい三角形の面が目に入ります。次に斜めから見て、葉が外へ反る位置を確認。白い筋を一本ずつ追うと、小さな葉にも模様の違いが見つかります。

写真は別の株です。葉の幅や重なりには違いがありますが、窓のある面と葉の輪郭を一緒に見ると、好みを言葉にしやすくなります。ほかの窓の形はオブツーサの種類、大きな系統の整理はクーペリー系の見分け方へ。
同じ株の変化を楽しむなら、真上と斜めの写真を一組で残しましょう。真上では三角形の窓と葉の配列、斜めでは葉が反る位置や重なりを見ます。次に撮るときも鉢の向きとカメラの位置をそろえると、同じ葉を探しやすくなります。窓の白い筋を目印に、外側の葉と中央の新しい葉を分けて見比べてください。
置き場所と光の向きもそろえて撮影します。逆光の一枚と室内灯の一枚では、窓の明るさが違って見えます。写真が明るく写っただけなのか、葉の輪郭や重なりが変わったのかを、別々に確かめましょう。名札の写真、撮影日、置き場所を同じ記録に残し、鉢を移した日も添えておくと、後から写真を並べたときに環境の変化をたどれます。
見どころと育て方
- 上を向く窓と、外へ反る葉を見る
- 明るい間接光、鉢の乾き、冬の冷えを確認
- 今の株から、古い図版と名札へたどる
育て方は、窓辺の光と鉢の乾きから
水やりの判断を詳しく確認する
02
水を足す前に、三つの手がかりを見る
観察からの分岐図 · 模式図
土に触れる中の湿りも見る
鉢を持つ重さの変化
葉を見る張りと新しい葉
三つを合わせて判断
乾いて、軽い成長中の発根株なら
水やりへ鉢底から流れるまで
与え、受け皿は空に
水やりへ鉢底から流れるまで
与え、受け皿は空に
湿って重いのに
しおれる追加する前に
根・排水・置き場を
確認水不足以外も考える
しおれる追加する前に
根・排水・置き場を
確認水不足以外も考える
土・鉢の重さ・葉を合わせて判断します。乾いて軽く、成長中の発根株なら水やりへ。湿って重いのにしおれるなら、追加する前に根・排水・置き場を確認します。
発根株の観察図。しおれだけで水不足とは判断せず、未発根株や生育が鈍い時期は管理を分けます。
窓辺で育てる、ふたつの楽しみ方
ラクに育てる
最初の一手明るい間接光と、乾いてからの水やり
葉の並びを楽しむなら、この基本から。
こだわって育てる
最初の一手同じ角度の写真と鉢の重さを残す
葉の間隔や乾く速さの変化まで楽しめます。
光:透けさせようと、急に強い日に当てない
NC State Extensionは明るい間接光を勧め、真昼の直射による葉焼けに触れています。窓がよく見えることと、株が育ちやすい光は分けて考えましょう。暗い棚から移すときは、一度に日差しを強めず葉の変化を観察します。
葉の間隔が広がり、株が上へ伸びるなら徒長の原因と直し方へ。ライトや用土・鉢は育成環境ガイドにまとめています。
水やり:乾きを確かめ、受け皿に残さない
底穴のある鉢と水の抜ける用土を使い、乾いて軽くなった生育中の発根株へ水を与えます。湿ったまま葉が弱るときは、水を追加する前に排水と根を確認。暑さや寒さで生育が鈍る時期は、同じ曜日に同じ量を与える方法から離れ、乾き方を見直します。
葉の窓をしぼませまいと、水を足し続ける必要はありません。基本の管理はハオルチアの育て方へ。
冬越し:夜の窓際を見直す
昼間は暖かい窓辺でも、夜は冷気が当たります。冷え込む日はガラスから離し、凍結を避けます。RHSのH2(1〜5℃)は英国の栽培条件に基づく耐寒性区分で、日本の鉢に共通する限界温度ではありません。冬の置き場所と水やりを合わせて調整しましょう。
近縁との境界は、窓だけでは決められない
観察
窓の輪郭・表面・横顔を、同じ順で比べる
掲載写真の同じ部位を比較
面の模様だけを比べず、一枚の輪郭から厚い側面へ目を移します。
それぞれ別の掲載株。形の比較は候補を探す入口で、変種や販売株の由来を保証しません。 写真は共通縮尺ではありません。
レツーサの掲載株:Photo: Salicyna / CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
シンビフォルミスの掲載株:Photo: Didier Descouens / CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
ムチカの掲載株:Photo: Abu Shawka / CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
レツーサらしい姿は観察できても、写真一枚から種や変種を確定するのは難しいことがあります。SANBIの2014年評価も、ムチカや一部のピグマエアと区別しにくい点を挙げ、分類上の問題から絶滅リスクを評価できない状態としています。
ミラビリスの条線や、シンビフォルミスの舟形の葉も、並べて見ると面白いところ。「マグニフィカ」は玉扇の流通名でも使われるので、学名まで確かめます。
買う前に、形と由来を確かめる
ラクに育てたい人は、根が動いている鉢付きの栽培株から。こだわって選びたい人は、実生・株分け、採集番号や産地情報、親株の記録まで見比べます。SANBIは野外集団への違法採取も脅威に挙げています。増殖の由来を説明できる販売者から選びましょう。
2026年7月24日の出品件数を見る
既存記事の検索記録では「ハオルチア 寿」16件、「レツーサ」9件、「ハオルチア レツーサ」5件。比較検索は「ハオルチア オブツーサ」303件、「ハオルチア 万象」120件でした。ヤフオク!の検索一致総件数で、表記揺れや別品種を含みます。現在の在庫数・価格を表す値ではありません。価格の平均・代表値は掲載していません。
基本情報 — 学名・自生地・耐寒性
レツーサの基本データ
学名データ
ツルボラン科・Haworthia属。学名はHaworthia retusa (L.) Duval、現在の組合せは1809年(GBIF usageKey 2780366)。基名Aloe retusa L.(1753)と変種・異名の書誌は、2026年7月24日の既存照会記録を保持しています。
分布はBredasdorp・SwellendamからMossel Bayまで。RHSの耐寒性区分は英国の栽培条件に基づきます。
1701年の図と、1802年の名前を見比べる
レツーサの楽しみは、今の鉢だけにとどまりません。古い図版にも、低く並ぶ厚い葉が描かれています。まず1802年の彩色図版を見ると、下部に旧属名の「ALOE retusa.」が読めます。
次は1701年の銅版画。こちらには長いラテン語の見出しがあり、版面にretusaの語はありません。Commonsでは本種のアイコノタイプとして紹介されています。絵の年代と、現在の学名の成立年を分けると、古い図版も読みやすくなります。
1701年の銅版画を開く
retusaは、切り詰めたような葉先に結び付く名前。NC State Extensionも、鈍い形と後ろへ反る葉を語源と合わせて説明しています。学名を読んだあとに鉢を斜めから眺めると、窓だけでなく葉の輪郭にも目が向きます。
既存記事で照合した書誌では、1753年にリンネがAloe retusaを記載し、1809年にDuvalがHaworthia retusaの組合せを発表しました。現在のGBIFページにも1809年の出版情報が載っています。葉の窓を見たあとに図へ戻ると、昔の画家がどの面を描こうとしたかも楽しめます。
レツーサは、現在もハオルチア属
レツーサの属名を確認したいときの補足です。
属の分類と資料を読む
GBIFの種ページはHaworthia retusaをハオルチア属に置いています。ツルギダについては、既存記事の2026年7月24日GBIF照会では独立種H. turgida、SANBI PlantZAfricaではH. retusa var. turgidaとして紹介されています。後者の崖の環境や標高は、ツルギダとして紹介された範囲の記述。
「寿」と、名札に残った名前

「寿」は日本の流通名。Haworthia retusaは学名、「紫レツーサ」「ダークレツーサ」は売り場で使われる呼び名です。色の名前だけで変種を決めず、株の写真と名札を一緒に残すと、あとから調べる楽しみにつながります。
写真では葉の色や群れ方が異なります。色の違いをそのまま別の変種の証拠にはせず、窓の面や葉の反りと一緒に比べましょう。
植物園の名札には「LILIACEAE」と「HAWORTHIA RETUSA ‘RUBRA’」が残っています。前者は当時の科名表記、後者には園芸上の呼び名。現在の分類を示すラベルとは分け、ハオルチアの名前の読み方で整理します。
既存記事で照合した変種・異名の書誌を開く
| 名前 | 発表(誌名・巻・頁・年) | いまの扱い |
|---|---|---|
| Aloe retusa L. | Sp. Pl.: 322 (1753) | 基名。H. retusa の異名 |
| Catevala retusa (L.) Medik. | Theodora: 68 (1786) | 異名(属の組替え) |
| Apicra retusa (L.) Willd. | Mag. Neuesten Entdeck. … Berlin 5: 271 (1811) | 異名(属の組替え) |
| Kumaria spicata Raf. | Autik. Bot.: 137 (1840) | var. retusa の異名 |
| Haworthia fouchei Poelln. | Succulenta 22: 28 (1940) | 独立種として記載 → var. retusa の異名 |
| H. retusa var. multilineata G.G.Sm. | J. S. African Bot. 12: 3 (1946) | 変種として記載 → 異名 |
| H. retusa var. solitaria G.G.Sm. | J. S. African Bot. 12: 5 (1946) | 変種として記載 → 異名 |
| H. retusa var. densiflora G.G.Sm. | J. S. African Bot. 12: 7 (1946) | 変種として記載 → 異名 |
| H. geraldii C.L.Scott | J. S. African Bot. 31: 123 (1965) | 独立種として記載 → 異名 |
| H. solitaria (G.G.Sm.) C.L.Scott | Aloe 11: 37 (1973) | 変種を種へ昇格 → 異名 |
| H. multilineata (G.G.Sm.) C.L.Scott | Gen. Haworthia: 134 (1985) | 変種を種へ昇格 → 異名 |
| H. retusa var. quimutica M.Hayashi | Haworthiad 15: 17 (2001) | 受理されている変種 |
| H. retusa var. nigra (M.B.Bayer) M.B.Bayer | Haworthia Update 7(4): 36 (2012) | 受理されている変種 |
| H. retusa var. fouchei (Poelln.) Breuer | Alsterworthia Int. 16(2): 6 (2016) | 異名(1940 年の種を変種へ戻す組替え) |
西ケープの地面に、窓を探す
礫の間に葉が低く収まる一株。どこから植物が始まるのか、輪郭を探したくなる写真です。SANBIは生育環境を、低い灌木と小石の被覆がある石まじりのシェール土壌と説明しています。
草の間で花茎を伸ばす株も見る
この野外写真は既存記事のRiversdaleの観察記録です。自宅で姿を再現しようと深く埋め込むより、鉢では排水と光を整え、葉の並びを眺めましょう。
小さな白い花も、近くで見る
低い葉の集まりから伸びる、細い花茎。写真では、花被片の筋と上下に開く先端が見えます。窓とは違う細かな姿を楽しめる季節です。花茎を残すか迷ったらハオルチアの花へ。
上を向いた窓を、毎日の楽しみに
まずは三角形の面と白い筋を眺め、斜めから葉の反りを見る。その株に合う光と水を探しながら、気になった名前を古い図版や名札へたどる。レツーサは、小さな鉢から観察が広がる植物です。
ほかの株と並べたい人は人気品種ランキング、系統から探す人は品種図鑑へ。
よくある疑問
「寿」と「レツーサ」は同じものですか?
日本の流通では同じ植物を指して使われる呼び名です。「寿」は流通名、Haworthia retusaは学名で、名札だけから変種までは読み取れません。
ツルギダ(turgida)はレツーサの一種ですか?
SANBI PlantZAfricaはH. retusa var. turgidaとして紹介しています。GBIFの2026年7月24日の既存照会記録では独立種として扱われ、資料によって位置づけが異なります。
何℃まで耐えられますか?
RHSの耐寒性区分はH2(1〜5℃)で、英国の栽培条件に基づく値です。夜の窓際の冷えに注意し、凍結を避けて管理します。
「紫レツーサ」「ダークレツーサ」は変種の名前ですか?
学名の変種名としてではなく、流通上の呼び名として読みます。実物の色と株姿、親株や由来の記録を合わせて確認しましょう。
写真を送れば品種を判定してもらえますか?
写真では窓や葉の輪郭を比較できますが、レツーサと近縁の境界には分類上の問題が残っています。産地や親株の記録があれば、一緒に確認してください。
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出典
Field Note出典と確認日
分類・分布・栽培資料は2026年9月8日に確認。図版の書誌、変種・異名表、出品件数は既存記事の2026年7月24日記録。実写真の同定名はCommons・iNaturalistの掲載情報に基づきます。
画像クレジット
実写真と古い図版の作者・ライセンス。
扉の写真: Photo: Salicyna / CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
基本変種のカード: Photo: Abu Shawka / CC0, via Wikimedia Commons
色幅のカード: Photo: Abu Shawka / CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
本文中の写真・図版の帰属は各キャプションに記載しています。サイト全体の画像出典は画像クレジットにまとめています。




















